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まよ日が記かく

1月26日「都合がいい関係人口に気をつけて」

1月20日に新庄市で行われたトークイベントを聞きにいった先日の日記のつづき。

イベント後半は「地方でどう生きるか?」がテーマだったが、ここでちょっと予想だにしないことが。

トークセッションのゲストが1名病欠だったため、参加者である僕と最上町の現役地域おこし協力隊である山崎さんが登壇することになったのだ。

※山崎さんは旦那さんと結婚を期に協力隊になった結婚移住の協力隊で、現在は赤倉温泉のお土産屋さんをやりながら、工芸品の開発などを行なっています。


▲トークの主役は吉野デザインの吉野さんとソトコトの指出さん。
急に壇上にあがることになった僕と山崎さん

僕たちに振られた話題としては、これからの地方はどうなっていくと思うかというテーマで、住んでいる場所の未来や、高校生たちとの関係づくりなどを語った。

そして、最後に何かお話ししたいことはという質問で、僕が切り出したのは「関係人口」という言葉が持つ、都合のいい危うさについてだった。

 

関係人口については、昨年秋に朝日新聞山形版で書かせていただいたコラムでも紹介したが、定期的に訪れながら地域の運営や発展に手を貸してくれる人材である(端的に言うと地域に関わってくれる人)。

観光で訪れる交流人口と、地域に住む定住人口とも違った地域と人との関係性の捉え方である。昨年には総務省の移住・交流に関する検討会でも大きく取り上げらており、今後、UIターンに並ぶ、地域と都市部の間に横たわる人に移動に関わる課題解決のか中では頻繁に耳にすることになることであろう。

 

この関係人口の存在はとても大切であり、地域の今後の運営に関係人口づくりは欠かせないものとなるだろう。

 

では、何が「都合のよい危さ」かと言うと、広い概念ゆえの使いやすさと説得力の高さである。

「例えば地域振興の活動をするため移住した人(地域おこし協力隊など)が、定住をせず地域から出ていくときの理由として横行したりしないか?」

っていうのが、僕の感じた危うさの例えだ。出ていくことが良い悪いの話ではなくて、次のステップを説明する際に、この関係人口を使った説明が横行しないかという懸念である。

地域振興は必ずしも定住が条件やゴールでなくても問題ない(出ていくことも一つの道だ)。だからこそ、関係人口という概念は広まってってほしい。ただ、その広まって欲しい人たちというのは、地域に暮らしている旧来からの定住人口の方達にである。

逆に、それ以外の人々が関係人口を声高らかに叫びすぎると、その説得力の高さゆえに、定住人口を望んでいる人々も無理やり納得せざるをえない。しかし現状の定住人口にカテゴライズされる方々には、まだ関係人口よりも定住人口が増えて欲しいという想いがまだまだ根強くあるのだ。その人たちにとって言い返しようがない説得力を「関係人口」はもっている。

関係人口という言葉が一人歩きし、「都合よく使用する人」と、「都合悪く解釈する人」が、立場によってかなり別れるということは意識したほうがいい。

説得力が高い言葉は、時に反論できないけど受け入れがたいと思いつつ、口をつむぐしかない多数派を生んでしまう。気をつけるべきは「関係人口」そのものではなく、口にする側の立場や使い所なのだ。

 

広い世界をつないで明るい社会を作りたいと活動する人々の想いを表した単語ではあるが、受け入れる地域の人たちの期待とはまだまだ、ズレが生じやすいワードであるということを踏まえた上で、僕は緩やかにじっくりと関係人口の受け入れ側の需要を増やしていきたい。

 

<余談>

他人様のトークイベントで好き放題言ってしまったことに加え、関係人口をテーマにした新刊が出たばかりのソトコト編集長を前に、ちょっとだけ後ろめたさを感じながら帰路に着いた。

助手席の妻が「つまり、関係人口って言葉はまだ脆いから、それだけにしがみついちゃダメって言いたかったんでしょ?他にもしっかりとした掴んだり、足をかけたりする事柄を作れってこと。」

って言った。

まさにその通りだった。

そうか、こういうイベントでトーク振られた時は妻に登壇してもらおうって思った。うちの妻にトークイベントの依頼がある方いましたら、お気軽にお問い合わせください。

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